VRメーカーで最も有名なブランドの1つであるOculusのRift Sを購入しましたのでレビューしていきます。
新型コロナウィルスの影響で”おうち時間”を充実させようと、現在巷ではVRの需要が非常に高まっているようです。
私はこのOculus Rift Sが人生初のVR体験・購入になりましたが、購入から3ヶ月が経過した今ではなくてはならない存在になっています。
ロマンを満たすのには少々値段が高いということもあり、購入に踏み切れずにいる方も多いかと思いますが、本記事がそんな方々の背中を押せれば幸いです。
購入の経緯
レーシングシミュレーターを16:9の一般的なモニターでプレイしていると、視野角に不満を持つ方も多いのではないでしょうか。
私はその1人であり、長年悩んでいました。
リアルなFOV設定+コックピット視点でプレイしていると、ミラーが確認できず状況確認ができない場面が多々あります。
また、市街地コースの鋭角なヘアピンコーナーなどを曲がる際、クリッピングポイントが見えない等、多くの不満を抱えていました。
YouTubeへの動画投稿をはじめ、シミュレーターをプレイする機会が以前よりも増えたことや動画のクオリティ上昇を考え、上記の問題解消を試みました。
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現状でこの解決策としては、
・ウルトラワイドモニター
・マルチモニター
・VR
の3つのオプションが挙げられます。
この3つのうちモニター新調の2つのオプションは価格が15万円以上してしまうことや、部屋のスペースという点で難しいと判断し、VR購入を決断しました。
候補に挙がったVR
ネットの記事を参考に予算10万円以内でVRを探していると、条件をクリアしたVRがいくつか見つかり、最終的に3つの候補に絞りました。
HTC VIVE Cosmos
家庭用VRの先駆けとなったHTC VIVEの後継であるVIVE Cosmosです。
ハイエンドVRに位置付けられ、高い解像度のディスプレイが特徴的です。
Oculus Quest
今回購入したRift Sと同社のOculusから販売されているQuestです。
PC-VR(PCに接続して使用するVR)としてだけでなく、HMDで独立して楽しむことができる2WAYタイプのVRです。
Oculus Rift S
今回購入したOculusのRift Sです。
Rift SはQuestとは異なり、PC接続が必須のVRであり、Oculus Riftの後継モデルになります。
主なスペック比較
HTC VIVE COSMOS | Oculus Quest | Oculus Rift S | |
価格 | 89,882円 | 49,800円(64GB) 62,800円(128GB) | 49,800円 |
解像度 | 1440×1700 | 1440×1600 | 1280×1440 |
パネル | LCD(液晶) | OLED(有機EL) | LCD(液晶) |
視野角 | 110° | 100° | 110° |
リフレッシュレート | 90Hz | 72Hz | 80Hz |
オーディオ | ヘッドフォン | 内蔵スピーカー | 内臓スピーカー |
Oculus Rift Sを選んだ理由
上記の3つのVRの中からOculus Rift Sを選んだ主な理由は価格と視野角です。
私がVRを購入した6月は新型コロナウィルスの影響で世界的にVR需要が高まっていることからVR全体の価格が1~2万円ほど上昇していました。
ゆえに、VIVE Cosmosは予算10万円のラインを超えてしまっていたため候補から外し、事実上Oculusの2つのモデルが最終的な候補でした。
この2つのモデルの決定的な違いは、VR独立での動作・パネル・視野角の3つです。
まず、Oculus QuestはVR独立で動作するのが最大の特徴ですが、今回のVR購入の目的はレーシングシミュレーターを快適にプレイすることにあったため、価値を見出すことはできませんでした。
また、スペック上QuestはRift Sよりも解像度が優れているようですが、パネルが有機ELと液晶という差があります。
いくつかの記事やレビューを見るとOculuは有機ELよりも液晶の方が優れているようで、VR特有のスクリーンドア効果(ピクセル間の網目が見えてしまうこと)が少ないため綺麗に見えるというレビューが見受けられました。
事実OculusはRiftからRift Sへの進化で有機ELから液晶にパネルを変更しています。
しかし、実際に体験したわけではないため、映像の綺麗さという点でも甲乙がつけがたい状況でした。
さらに、視野角という点にもこの両者は違いがあります。
公式の記載はないものの、Questが100°、Rift Sは110~115°と言われており、視野角はRift Sにアドバンテージがあるようです。
今回、VRを購入する最大の理由は視野角の向上であるため、この10°は私にとって非常に価値あるものでした。
以上から、価格と視野角という点でOculus Rift Sの購入を決断しました。
開封
化粧箱を覆う外箱には近未来間を演出しながらも、目立ちすぎないシックな色使いが非常にクールです。
後ろ面にはいくつかの言語で簡単な紹介文とおすすめのソフトが紹介されています。
ちなみに日本語での説明はありませんでした。
化粧箱を開けると、さっそくVRヘッドセットとコントローラーが顔を出します。
収まりの良い専用設計の化粧箱であるため、収納するケースとしても使用できそうです。
内容物
内容物は下記のとおりです。
・Rift Sヘッドセット ・Touchコントローラー(左右) ・Mini Display Port/Display Port変換アダプター ・単三電池 x2(コントローラー用) ・レファレンスガイド ・安全及び保証マニュアル
ヘッドセット本体はPCとUSB3.0とディスプレイポートで接続する必要がありますが、ミニディスプレイポートへの変換アダプターが同梱しているため、ディスプレイポート口のないグラフィックボードを使用している方でも安心してご利用いただけます。
また、コントローラーに必要な単三電池も付属しているため、本体とは別に用意するものは特にありません。
はじめてRift Sを使用した感想
VR酔いは2日だけ
VRは現実空間と仮想空間との差(ex.仮想空間で接触したのに衝撃が来ない等)に脳が対応しきれず、VR酔いを発生する方が一定数存在します。
症状は十人十色であり、数時間で慣れる人もいれば克服できない方もいらっしゃるようです。
購入前にこのような記事を読み、自分はVRに慣れることができるだろうかと危惧していました。
実際Oculus Rift Sを装着していくつかのレーシングシミュレーターをプレイしてみると、数時間でVR酔いの症状が出ました。
しかし、休憩しながら繰り返しプレイしているうちに徐々に慣れ、2日後には長時間プレイすることも可能になりました。
また、VR酔いは慣れも重要ですがスムーズなプレイができるグラフィック設定かどうかにも寄与しているようです。
後述にベンチマークテストの結果を載せていますが、VRを装着状態でReShadeなど高画質で重いグラフィック設定を用いるとカクつきが生じ、VR酔いに繋がります。
今思えば、初日はこの設定ミスがVR酔いに繋がったのではないかと思っております。
したがって、多少はグラフィック設定の品質を落とし、安定して60fpsは記録できるような設定にすることでVR酔いを回避することもできます。
ベンチマークテスト
レーシングシミュレーターのAssetto Corsaを用いてベンチマークテストを行いました。
1920×1080の一般的なモニターを比較対象とし、同じビデオ環境設定で検証しています。
使用したPCはドスパラ社のガレリアGXFであり、主なスペックは下記のとおりです。
OS | Windows 10 Home |
CPU | Intel Core i7 9700KF |
GPU | GeForce RTX 2070 Super 8GB |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB SSD |
また今回ベンチマークテストを行ったAssetto Corsaのビデオセッティングは下記のとおりです。
シングルスクリーン
シングルスクリーンでは平均FPS:180ということで安定感は十二分と言えます。
Oculus Rift S
気になるVR使用時のFPSですが、今回の設定下では平均FPS:97.6を記録しました。
シングルモニター使用時からは約50%のパフォーマンス低下がありましたが、今回使用しているPC環境ではスムーズにプレイできます。
まとめ
いかがでしたか。
購入時期も悪く、購入に至るまではレーシングシミュレーターの視野角の問題を解消するためには少々高い投資であると感じていましたが、今では購入してよかったと心の底から思えます。
VRは視野角の問題解決だけでなく、臨場感が向上することで車との一体感が増し、より現実に近いシミュレーターをプレイしているという感覚が強くなりました。
シングルモニターでのシミュレーターには満足できず更なるリアリティを求める方にはおすすめしたい商品です。
以上、Oculus Rift Sの購入レビューでした。