Kart Racing Proで数百ラップを走破し、一通り機能を試した上でこのシミュレーターの良かった点と悪かった点をご紹介していきます。
レビューを通して「カートの挙動はリアル?」や「コスパは良い?」などの疑問にお答えします
Kart Racing Proの良かった点
様々なマシンで走行可能
リアルカートでは様々なクラス、シャーシを運転する機会は中々ありませんが、Kart Racing Proでは網羅できます。
国内ではあまり普及していないKZ1を走行できるのも魅力の1つです。
マシンは各シャーシごとに特性が異なり、開発者側の本気度が覗えます。
細かいセッティングが可能
レーシングカート専門のシミュレーターであるため、マシンセッティングも非常に細かく変更できます。
シートステーの本数変更やカウルの締め付け具合など、カートならではのセッティングが施せるのは高く評価できます。
挙動がリアル
現時点でのカートが走行可能なシミュレーターの中ではトップクラスの挙動再現度です。
特にマシンの荷重変化やインリフト、ブレーキング時のマシンの動きは非常にリアルです。
追加Modが多い
Modの多さも魅力の1つです。
カート界はレギュレーションやカウルステッカーが毎年変更されますが、その変更の度に新たなModが開発されます。
更新も比較的早く、現実世界と適合されるのはリアルカートドライバーの気分を高めます。
Kart Racing Proの改善してほしい点
日本のコースが少ない
初期のラインナップの中には日本のカートコースはありません。Modは鈴鹿、SUGO、つま恋、群馬サイクルスポーツセンターのみであり、とても多いとは言えません。
また、SUGOやつま恋は完成度が低く、練習になるようなクオリティではありませんでした。
雨天の挙動がイマイチ
ハーフウェットからフルウェットまで路面コンディションが選択可能ですが、いずれも挙動はあまりリアルではありません。
ドライコンディションの挙動がリアルなだけに改善してほしい点です。
値段が高い
シングルプレイとオンラインのみの走行モードや収録車種、コースから考えると€35は少々割高なように思えます。
総評
Kart Racing Proは全体的にとても良い印象を受けました。
レーシングカート専門のシミュレーターであるため、カート独特のドライバージェスチャーやセッティングの細かさは再現度が非常に高いです。
一般的なハンコンでは少し限界がありますが、挙動は比較的にリアルであり、ゲームではなくシミュレーターとしてしっかりと機能しています。
一方、海外製のシミュレーターであるため日本のコースが収録されておらずModも少ないことは残念です。
また、レインコンディションの独特なカートの動きは再現されておらず、今後の改善に期待です。
4,100円と少々値段が高いようにも思えますが、拡張性の高さやアップデートで向上していくことを加味すると妥当な価格と考えて良いでしょう。
e-SPORTSの成長と共にレースゲームやシミュレーターの質の高さも日々進化し、今ではレーシングドライバーのトレーニングアイテムの1つとなっています。
しかし、レーシングカートのシミュレーターは未だに少なく、注目度も低いのが現状です。
そんな数少ないカートシム業界を牽引しているのがKart Racing Proです。
カート独特の振動やGを一般のハンコンで再現することは難しく、臨場感という点では未だ不十分であることは否めません。
しかし、カートで海外遠征に行く方のコースの下見的役割やセッティングのアイディアを想起させるアイテムになり得ます。
また、ドライビングの正確さや集中力を養うのにも最適です。
したがって、Kart Racing Proはカートドライバーに是非おすすめしたいシミュレーターです。