スプロケットとエンジンブレーキの関係性 特性変化は加速と最高速度だけではない

セッティング

スプロケットの歯数を大小させることで加速や最高速度に優位性が生じることをご存じの方も多いかと思います。

一方、スプロケットの変更でブレーキング時の減速性能に差が生じるのはご存知でしょうか。

これを理解して意識的にドライビングすることができれば、スプロケットの長所を最大限に引き出せます。

今回は、減速性能を左右するエンジンブレーキとスプロケットの関係性をご紹介します。

エンジンブレーキとは

レーシングカートは常にギアが繋がっており、ニュートラル状態がないためアクセルを離すととブレーキを使わずとも減速していきます。

この減速がエンジンブレーキです。

エンジンブレーキと呼ばれますが、決してエンジン内にブレーキが備わっているわけではありません。

それではなぜアクセルを離すと減速するのでしょうか。

エンジンブレーキのメカニズム

レーシングカートをはじめとするエンジンが動力の車は、アクセルを踏むことでエンジン内に燃料が送り込まれる機構になっています。

またそれがエンジンを動かし、スプロケット(トランスミッション)をとおして回転力が車軸に伝わることでタイヤが回り、車が動きます。

一方、アクセルを離すとエンジンに燃料が送り込まれないので、エンジンの力でタイヤを回さなくなり、タイヤがエンジンを回していることになります。

この時に生じる抵抗力で車は減速し、それがエンジンブレーキです。

変速比とエンジンブレーキ

エンジンブレーキによって生じる減速力は、スプロケットの変速比(減速比)によって異なります。

変速比って何?という方はまずは下記記事をご参照ください。

変速比が異なれば、その分ドリブンスプロケットが回さなければならないドライブスプロケットの量が異なります。

変速比が高いほど、回さなければならないドライブの回転数が多く、変速比が低いほど少なく済みます。

したがって、変速比が高いほどエンジンブレーキの減速力は高まります。

オートマチックトランスミッションの自動車に”L”や”2″など固定ギアが設けられているのは、このエンジンブレーキの効き具合を調整するためです。

スプロケット変更で意識すること

スプロケットの変速比でエンジンブレーキの減速力が異なれば、アクセルを離すブレーキング時の減速力も異なります。

したがって、スプロケットの歯数を変更した際はブレーキングポイントもそれに合わせて変更することでスプロケットの性能を最大に引き出すことが可能です。

具体的には

変速比を上げたときはブレーキングポイントを奥へズラす。
変速比を下げたときはブレーキングポイントを手前にする。

また、変速比が高くした際はコーナリング中の回転数低下も速くなるため、それをカバーする能動的な動きができればなお良いです。

まとめ

いかがでしたか。

スプロケットの歯数変更による特性変化は加速性能と最高速度に目が行きますが、エンジンブレーキの強さが変わることも念頭に置いておくと、再興のパフォーマンスが発揮できます。

レーシングカートは1日の間で何枚もスプロケットを試すということが多々あるので、これを意識することで、真の当たりの丁数に出会えるかもしれません。

以上、スプロケットとエンジンブレーキの関係性のご紹介でした。

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