カートのライン取りの基本は他のモータースポーツと同様にアウト・イン・アウトです。
しかし、なぜアウト・イン・アウトが速いのでしょうか。
今回は、”ライン取りとは”というレベルから”ライン取りのメカニズム”まで徹底解説していきます。
初心者カートドライバーや速くなりたいドライバーは必見です!
ライン取りとは
「ライン取り」とはサーキットのどの位置を走行するのか、その走行位置の道筋をライン見立てた総称であり、モータースポーツの基本テクニックです。
もちろんライン取りは、カートにおいても速く走るための非常に重要な要素であり、多くのドライバーが実践しています。
また、速く走るための最適な走行ラインを”レコードライン“と言います。
しかし、初心者のドライバーはこのレコードラインからが分からず、大きくタイムロスをしている場合がほとんどです。
反対に、走行ラインの改善でラップタイムは飛躍的に向上します。
以下のライン取りのメカニズムを理解すれば、自然とレコードラインを走行することが可能です。
速く走りたいドライバーや自分の走行ラインが正しいか不安な方は参考にしてください。
レコードラインを走るメリット
・速く走れる
・埃やゴミを拾いにくい
・多くのドライバーが走るため、ラバーグリップを得られる
ライン取りの基礎
ライン取りの基本は”アウト・イン・アウト“です。
コーナー進入からコーナーエイペックス(頂点)、コーナー出口の順に外→内→外のライン取りがアウト・イン・アウトです。
また、エイペックス付近でコーナーの最も内側を走行するポイントをクリッピングポイントと呼びます。
これが最も基本のライン取りであり、最速であるとされています。
ゆえに、アウト・イン・アウトは多くのサーキット、コーナーで通用します。
なぜアウト・イン・アウトが速いのか
アウト・イン・アウトは何故最速のライン取りなのでしょうか。
あまりにも一般化されているライン取りであるため、その意味を理解せずに実践しているドライバーも多いと思います。
実はアウト・イン・アウトは最も理にかなったライン取りです。
それではそのメカニズムも解説していきます。
今回は、最も考え方のシンプルなヘアピンカーブを例に挙げます。
また、路面の形状は一定であり、バンクなどは考えないものとします。
まず上記画像のピンク・オレンジ・ブルーの3つの走行ラインがあります。
この3つの走行ラインにはそれぞれ特徴がありそれは下記のとおりです。
ピンク
最もRが大きい走行ライン。
限界コーナリング速度は最高。
距離は最長。
ブルー
最もRが小さい走行ライン。
限界コーナリング速度は最低。
距離は最短。
オレンジ
すべての要素においてピンクとブルーの中間。
上記の特徴からもわかるように、コーナーのライン取りを大きくするほど限界コーナリング速度を高めることができます。
これは遠心力がタイヤの限界値を超えるとオーバーステアやアンダーステアが生じ、遠心力はコーナーの小ささに比例して大きくなるためです。
また、コーナーのライン取りを小さくするほど短距離で走行が可能です。
これらは、運動会の短距離走を想像していただければイメージし易いはずです。
しかし、両者共に弱点を持ち合わせており、トレードオフの関係にあります。
つまり、タイムアップのためにコーナーを速く走る(速度ではなく時間)ためにはピンクとブルーの折衷が最速のライン取りと言えそうです。
そこでアウト・イン・アウトを考えてみましょう。
パープルのラインは新たに足したアウト・イン・アウトのライン取りです。
このパープルのラインはピンクのラインを下方にずらしただけで変形は加えておりません。
つまり、最高コーナリング速度を維持し距離を短くすることができました。
これがアウト・イン・アウトが最速とされる所以です。
まとめ
いかがでしたか。
カートで速く走るためにはライン取りをマスターしてレコードラインを走行することが非常に重要です。
そのためにはまずアウト・イン・アウトのメカニズムを理解し、実践することが早道です。
また、今回はヘアピンカーブを例にライン取りをご紹介しましたが、サーキットには様々な形状のコーナーが存在します。
複雑な形状や連続するコーナーのライン取りは下記記事を参考にしてください。
以上、ライン取りとアウト・イン・アウトのメカニズムのご紹介でした。