立ち上がり重視のライン取りは使い分けが最強?タイムアップに繋がるライン取りとは

カート初心者

モータースポーツにおけるタイムアップを志す方は、「立ち上がり重視」というフレーズを1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

立ち上がり重視という考え方はカートにおいても非常に重要であり、マスターすることで確実にタイムアップに繋がります。

今回は、ライン取りにおける立ち上がり重視の考え方と立ち上がり重視を使うべき場所をご紹介します。

速く走りたい方やタイムに伸び悩んでいたドライバーは是非参考にしてください。

ライン取りに自信のない方や、ライン取りって何?という方は、まず下記記事をご一読ください。

合わせて読みたい

立ち上がり重視とは

立ち上がり重視とはコーナリングそのものではなく、コーナー出口速さを重視したドライビングテクニックです。

ライン取りにおける立ち上がり重視は、コーナー序盤のスピードを犠牲にし、出口を直線的に走行することで加速区間を長く設けることでコーナー出口のスピードを稼ぎます。

なぜ立ち上がり重視が速いのか

立ち上がり重視が一般的に”速い”とされている理由は、容易にストレートスピードを上げることができるからです。

ストレートとコーナーで構成されているサーキットでタイムアップを図るためには、当然そのどちらかを速く走る必要があります。

コーナーを速く走るためには、コーナリング速度を上げる必要がありますが、ライン取りの基礎でお話ししたように、遠心力とタイヤの関係で限界スピードが存在します。

したがって、タイムアップを図ったコーナリング速度を上げることは容易ではありません。

一方、コーナー加速スピードを上げ、ストレート区間のタイムをあげることは容易に可能です。

立ち上がり重視で発生する犠牲<ストレートのタイムアップの関係が築ければ、全体のタイムアップに繋がります。

したがって、立ち上がり重視は速いとされています。

立ち上がり重視の走行ライン

立ち上がり重視の走行ラインはクリッピングポイントをズラすことで成立します。

ピンクが一般的なアウト・イン・アウトの走行ライン、ブルーが立ち上がり重視の走行ラインです。

一般的なラインでは、コーナーエイペックスにクリッピングポイントを設定している一方、立ち上がり重視のラインではコーナーエイペックスよりも出口側にクリッピングポイントを設けています。

また、両者の加速区間を破線で示しています。

立ち上がり重視のラインの方が早い段階で加速し始めていることが分かります。

これが立ち上がり重視のラインの最大の強みです。

しかし、立ち上がり重視のラインは一般的なラインと比較して、Rが小さくなっています。

これが立ち上がり重視のラインの犠牲の部分です。

Rが小さくなることで最大コーナリングスピードが低下するため、コーナリング自体の速さは失われます。

したがって、立ち上がり重視で発生する犠牲<ストレートのタイムアップの関係を築く必要があります。

また、このストレートで稼ぐために犠牲を作る行為をしばしば「ためる」と表現します。

連続コーナーでの使用

連続コーナーで立ち上がり重視のラインを走行する際も同様にクリッピングポイントの位置をズラします。

また、立ち上がりに関係する連続コーナーの最後コーナーのみをズラすのではなく、全てのコーナーを立ち上がり重視にすることで自然なラインになります。

立ち上がり重視が有効のコーナー

立ち上がり重視が有効なコーナー、つまり立ち上がり重視で発生する犠牲<ストレートのタイムアップが成立するコーナーは具体的にどのようなコーナーが挙げられるでしょうか。

コーナー後に長いストレートがある場合

コーナー後に長いストレートが設けられている場合は、立ち上がり重視のライン取りが有効です。

加速開始ポイントを早く取ることでストレートでの最高速度到達時間を早め、タイムアップを期待できます。

コーナー後が登り坂の場合

コーナーの出口から登り坂の場合にも立ち上がり重視のラインが有効です。

当然、登り坂は加速性能が低下するため立ち上がり重視のラインがそれを補います。

また、立ち上がり重視のラインは通常ラインと比べ、斜めに立ち上がるため傾斜角を浅くする効果もあります。

立ち上がり重視が無効のコーナー

コーナー後のストレートが短い場合

コーナー後のストレートが短い場合は、犠牲を上回るゲインを得られない場合があるため有効とは言えません。

コーナー後が下り坂の場合

コーナー後が下り坂の場合も坂が加速性能を補ってしまうため、立ち上がり重視のラインが有効でない場合が多いです。

バトル中は使い分けが重要

バトル中の立ち上がり重視のライン取りは、オーバーテイクの武器になると同時に隙にもなり得るため状況判断と使い分けが重要です。

例えば、前の車両をオーバーテイクしたい場合、オーバーテイクポイントの1つ前のコーナーで立ち上がり重視のラインを走行することで、容易にオーバーテイク可能です。

一方、後方に車両がいる場合は隙を作ってしまいます。

上記の画像から分かるように、立ち上がり重視のラインはクリッピングポイントを奥に取るため、コーナー入り口で内側にスペースを作る特徴があります。

このスペースが隙となって容易にオーバーテイクされることがあるため、先方を走る際に立ち上がり重視のラインを用いる場合は、後方車両との間隔に注意する必要があります。

まとめ

いかがでしたか。

一様に速いと言われる立ち上がり重視ですが、その例外もあることが分かりました。

ライン取りにおける立ち上がり重視は、コーナーの特性と状況によって使い分けが重要です。

サーキットのコーナー1つ1つで試せば、有効であるコーナーとそうではないコーナーが見えてきます。

有効であるか判断し難いコーナーでは、実際に実験してみることも必要です。

今回得た知識を活かしてタイムアップに繋げてください。

以上、立ち上がり重視のライン取りのご紹介でした。

タイトルとURLをコピーしました