レーシングカートに限らず、オーバーテイクした際にクロスラインで抜き返されてしまうのは非常に勿体ないシーンです。
なぜなら、追い抜く側も追い抜かれる側も互いに順位の変動がなく、タイムロスだけしてしまうからです。
中団争いでこのようなことが続けば、次第に先頭集団に逃げられてしまうため、優勝のチャンスを失います。
したがって、オーバーテイクする際は“いかにクロスラインを取られないか”が重要になってきます。
今回は、そんなクロスラインが取れない上手なオーバーテイクのコツをご紹介します。
クロスラインとは
クロスラインとはコーナーの入り口でオーバーテイクされた車両をコーナー出口で抜き返すテクニックです。
2台の走行ラインが交差することからクロスラインと言われています。
なお本記事は、このクロスラインのやり方を理解していない方には少々分かりにくい内容となっています。
当サイトでは別記事でクロスラインのやり方やオーバーテイクのコツなども紹介しておりますので、下記リンクからご参照ください。
上手なオーバーテイクのやり方
まず結論から申し上げますと、オーバーテイクの際クロスラインを取られないためには、コーナリング中になるべく相手と並んでいる必要があります。
クロスラインを仕掛けるためにはコーナー前半で相手を先行させ、早めに車の向きを変えることでコーナー出口で横に並べるという原理でした。
これを逆手に取り、オーバーテイクの際はなるべく相手と並走することで、相手の自由を無くすことでクロスラインが取れない状況を作ります。
それでは詳しく解説していきます。
①ブレーキングで並ぶ
まずはブレーキングでしっかり相手のイン側に並びます。
この際、相手と完全に横並びというよりは、ノーズだけをイン側に入れるイメージで並ぶと、よりクロスラインが取れない状況を作りやすいです。
また、完全な横並びから少しでも先行してしまうと、相手にクロスラインを取られやすくなってしまうので、ブレーキングではあくまで”並ぶ”ということに注意します。
②コーナー・エイペックスまでは並走する
コーナリング中相手に後ろにつかれると相手に自由を与えてしまうため、クロスラインの可能性が高まってしまいます。
そこで、コーナ・エイペックスまではなるべく相手と並走し、ライントレースの自由を無くします。
ブレーキングからエイペックスまでで相手を抜き切らないことを意識するといいでしょう。
③相手のラインを消す
コーナーエイペックス以降は通常のレコードラインを走行し、相手の行き場を無くします。
行き場を無くすとはいえ、ぶつけてコース外へ弾き出すのではなく、相手に抵抗の余地を残さないようなライン取りを心掛けます。
こうすることで、相手の立ち上がりスピードが落ちるため、クロスラインだけでなく次のコーナーで抜き返されるリスクも少なくすることができます。
まとめ
いかがでしたか。
オーバーテイクはいかにクロスラインを取らせないかが重要です。
そのためにはブレーキングでオーバーテイクすることを考えず、コーナー全体で時間をかけてオーバーテイクすることでクロスラインの可能性を下げることができます。
レース中、先頭を逃がしたくないシーンや中団から追い上げていくシーンでは重宝しますので、是非マスターしてください。
以上、クロスラインの取られにくい上手なオーバーテイクのやり方のご紹介でした。